「ビッグデータ・IoT」2つの技術について事例とともに解説!

2021年10月18日

ITテクノロジーに関連する技術が次々と開発される現在、専門用語も耳にする機会が増えています。
特に最近多く聞くのは「ビッグデータ」「IoT」です。
2つの技術は親和性が高く、複合的に用いることでより高い効果を発揮します。
これらのワードについて詳しく解説するとともに、具体的な使用実例を確認することで、利用方法について探っていきましょう。

1.ビッグデータとは?IoTとは?

最初に、それぞれのITワードの意味を確認しましょう。

「ビッグデータ」
総務省の情報通信白書では、ビッグデータを「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」として紹介しています。
ビッグデータは例えば、オンラインショッピングサイトやSNSなどのウェブサービスで得られるデータが該当します。

ウェブサービスにアクセスする人口は年々増加していることから、データは膨大な分量になります。
データをAIのディープラーニング機能などを用いて、「事業に役立つ知見」を導出することで、企業の長期方針に役立つ情報を作成し活用することになります。
ビッグデータは他にも工場などでも利用されています。
工場設備の稼働状況や故障率などを蓄積しビッグデータ化することで、故障率の多い設備の把握や、効率的なメンテナンススケジュールの策定などに役立ちます。

「IoT」
Internet of Thingsを略した一般的に使用される名称が「IoT」です。
インターネットにあらゆるモノが接続する技術、あるいは社会として紹介されます。
従来は電話はインターネットと切り離されたものでしたが、近年ではスマートフォンやタブレットは常にインターネットに接続された状態で使用されます。

テレビも以前はインターネットに繋がるものではありませんでしたが、近年はインターネットと接続して動画コンテンツを利用するなどして利用されています。
他にも、冷蔵庫・ドアホン・電子レンジなど、以前はインターネットに繋がると考えられていなかったものも接続の対象となっています。
このように、生活する上で使用するあらゆるモノがインターネットに接続することを「IoT」と呼んでいます。

2.親和性の高い2つの技術

「ビッグデータ」と「IoT」、2つの技術は非常に親和性が高いと言われています。
IoTは生活する中での行動をデータに変換します。
帰宅、電気を点ける、冷蔵庫を開く…。変換されたデータは、他の人の行動データとともにビッグデータに昇華されます。
受け取った企業は、ビッグデータから何らかの法則性を見出し、新たに開発する新製品に反映します。
そして消費者に新しい製品・サービスとして提供されます。
このように、生活をデータ化するIoTとビッグデータはお互いがwin-winの関係を築いており、とても親和性が高い技術であるといえます。

ただし、このサイクルが進行する中でIT機器への依存度が高まるとセキュリティリスクが高まるため注意が必要です。
デバイスは常にインターネットと接続することになるので、デバイスの乗っ取りや情報の詐取を受けるリスクを企業側も、利用者側も認識しなければなりません。

3.ビッグデータとIoT使用の実例

ビッグデータとIoTを利用した技術の事例として、中国の事例を2つ挙げます。

1つ目は、顔認証システムを用いた新型コロナウイルスの感染経路割り出しです。
中国では治安維持のため、街中に設置された監視カメラと顔認証技術の連携に加えて、スマートフォンの通話・位置情報、ライドシェアといったサービスから得たビッグデータを利用して個人の行動履歴を把握しています。
このシステムを用いて、新型コロナウイルス感染者の行動履歴を追跡、濃厚接触者を特定させることに成功しています。
個人情報保護の是非についての議論はありますが、スマートフォンなどのIoT機器とビッグデータを活用して、新型コロナウイルスの蔓延を防いだ事例といえます。

参考:産経新聞「中国、ビッグデータで感染経路を割り出し 行動を詳細把握」
https://www.sankei.com/article/20200207-55Y22VBZP5MGBLFKTUSPA7IAMY/

2つ目は、深センのスポンジシティ化実験における雨量計・水位計です。
スポンジシティとは、街全体で雨水を吸収し水害の防止などに役立てる考え方です。
屋上緑化や貯水タンク、浸透性道路舗装などのハード対策がスポンジシティを作る土台となりますが、その評価を行うために雨量計や水位計が必要です。

計測機器をIoT化してデータとして蓄積することには2つの意義があります。
1点目は、計測機器の通常時の挙動を確認しておくことで、機器に異常が発生した際に迅速に点検・修理を行い、適切なデータ取得ができることです。
2点目は、継続してデータを取得することで、降雨時や豪雨時のデータをもとにスポンジシティ化の評価を行うことができる点です。

参考:IngDan Japan「深セン スポンジシティへの変身」
https://www.ingdanjapan.com/archive/200901

4.まとめ

ビッグデータとIoTについて、言葉の意味を解説するとともに、実際の使用例を紹介しました。
これからモノのIoT化はさらに加速することは確実です。IoT機器の普及により、ビッグデータの重要性はさらに大きなものとなることも予想されます。
IT機器の進化により、ITに関連するキーワードはさらに増えます。
個々の話題についていち早く情報を手に入れ、ビジネスに活かすことで時代に合致した最適な会社の運営が可能となります。

IngdanAcademyでは、ビッグデータやIoT機器の先進的な利用を進める深センの会社の事例を多数紹介しています。キーワードの意味に加えて先進事例を確認することでビジネスを加速しましょう。

記事監修者
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長

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