【深セン・大鵬新区】世界最大級のレゴランド(LEGOLAND)が建設予定

2021年9月27日

中国、深センに世界最大級の『レゴランド』の建設が開始されました。
レゴランドは世界的に有名なブロックのおもちゃ「レゴブロック」の世界観をテーマにしたテーマパークです。日本でも愛知県名古屋市に2017年4月1日に開業しています。
中国深センで計画中のレゴランドは、現在世界最大のレゴランドを超える規模になると予定されています。

今回計画中のレゴランドはどのようなもので、IT技術で目覚ましい発展を遂げる深センにおいてどのような役割を果たすのでしょうか。

1.深センに世界最大級の『レゴランド』建設予定

深センに建設を予定している「レゴランド」は2021年8月26日、深セン経済特別区41周年という特別な日に正式に着工しました。2024年にオープン予定で、開園1年目に200万人、3年目に300万人、5年目に400万人の来場者を見込んでいます。

深センのレゴランドは、敷地面積58万m2にレゴテーマパーク・ウォーターパーク・探検パーク・さらに総客室数1,100以上の3つのホテル設置を予定する複合施設になります。
58万m2の面積は現在世界に8箇所あるレゴランドの中で最も大きなものです。
レゴランドはレゴブロックの世界観だけでなく、その土地の歴史や文化、特色を融合させる特徴があります。中国の文化に加えて最先端ITテクノロジー都市である深センの技術を活かしたアトラクションが期待されます。

参考:深セン市HP「世界最大のレゴランドが深センに!」
http://www.sz.gov.cn/jp_szgov/business/news/content/post_9092278.html

2.建設予定地の「大鵬新区」とは

レゴランドの建設が予定されている大鵬新区は深セン市街の真東、大鵬半島に位置します。
大鵬新区は複雑な海岸線と特徴ある島々で形成されており、広東省で最も美しい海岸風景と評されます。
大鵬新区は歴史地区としても有名です。

明・清時代の軍事要塞「大鵬所城」は1394年に建築された城で、博物館も併設されています。
明代の甲冑を着た兵士がマナー違反をする人に注意をうながす取り組みがなされるなど、観光にも力を入れています。
今回のレゴランド建設を機に、大鵬新区は同区を世界的な沿岸エコツーリズム・リゾートとして観光産業を主に発展することを計画しています。

2021年9月2日には既に深セン最大の観光リゾート施設「佳兆業国際楽園」がオープンしています。
日本においては長崎のハウステンボスやオランダ村が観光、及び地域経済の起爆剤となったように、深センでも地域経済と沿岸リゾートを組み合わせた都市開発を目指しています。

3.大鵬新区は観光・歴史・最新技術が融合した都市に?

深センから1時間程度で到着する大鵬新区は、深センの誇る最先端の科学技術と観光・歴史とを融合する可能性を秘めています。
レゴランドが建設される大鵬新区では、区政府とI FLY TEK社が「人工知能+教育」「人工知能+医療」のテーマでプラットフォーム構築を目指しています。

具体的には、スマートシティのコンパクト版である「スマートキャンパス」や「スマートヘルスケア」といった技術です。
例えばスマートキャンパスでは、キャンパス構内へ入場する車のナンバー識別・授業への出欠管理・会議室や体育館の利用申請・食事の予約など、対象エリア内における生活利便性の向上を狙います。
導入には顔認証・各種センサー・スマートフォンなどデバイスからのデータ取得など、IT技術の導入が不可欠であるため、IT企業との共同で目標の達成を目指します。

参考:IngDan Japan「中国のスマートキャンパス」
https://www.ingdanjapan.com/archive/200602

他に、大鵬新区では「無人」パーキングメーターの導入が進んでいます。
中国では急増する車に対して駐車場の整備が追いついていない現状があります。
この問題に対して大鵬新区はIT技術を用いて無人パーキングメーターの設置を進めています。

大鵬新区の無人パーキングメーターは、駐車スペースとしてのペイントと監視カメラを設置するだけというお手軽さが特徴。
駐車した車のナンバーを自動識別して利用者に請求を行うものです。
このカメラは深セン市の交通警察などのシステムとも連動しているため、駐車違反が発生すれば警察に連絡される仕組みになっています。
観光地として有名になるにつれて発生が予想される渋滞への対処法として有効な手段になりそうです。

大鵬新区がレゴシティの完成後、今までに起こらなかった社会問題の発生が予見されます。
しかし、深セン市ならではのIT技術を駆使した問題解決にも期待が集まります。

3.まとめ

中国深センに対するイメージは、5G技術を始めとしたITテクノロジーの先進的な事例がメインでした。
今回紹介した「レゴシティ」の進出に関するニュースで観光・歴史という深セン市の新しい一面を確認することができました。
同時に、観光や歴史へのアプローチにもITと技術の導入を試みる深セン市らしさを垣間見ることができました。

2021年9月2日に開業した「佳兆業国際楽園」に続いて2024年オープン予定の「レゴランド」。
テーマパークとしての魅力に加えて、観光都市として、ITと活用都市としての発展に注目です。
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著者プロフィール
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長

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