北京大興空港、スマート駐車ロボットを導入

2020年11月10日

北京大興国際空港は「駐車スペースが見つからない」、「運転が下手で、上手に駐車できない」など、旅客のお困りを解決するため、麗亭智能(LTSMART)社のRAYというスマート駐車ロボットを中国初に導入した。旅客はクルマを交換ステーションまで運転したら、駐車またはピックアップなどの作業はスマート駐車ロボットに任せればいいである。

麗亭智能(LTSMART)社はRAYの運営会社であり、ドイツserva transport systems社と共同でRAYを設計開発した。RAYは無人搬送車(AGV)型スマート駐車ロボットであり、フォークリフトのようなフォークが四本付き、クルマのサイズに合わせてフォークを調整し、側面から車を持ち上げ、適切な駐車スペースまで移動していく仕組みとなる。

北京大興国際空港の駐車場において、クルマをRAYに渡す場所として、交換ステーションが設置されている。利用者はクルマを交換ステーションに入れて、施錠する。そして、専用の機械に車両情報や連絡先などが入力されたら、クルマを引き取るためのQRコードが印刷される。その後、RAYがクルマを持ち上げて、システムで算出された適切な駐車スペースまで持っていく。この一連の作業はおよそ2分間程度で完了可能。また、クルマを引き取る際に、専用機械にQRコードを読ませたら、RAYがクルマを交換ステーションまで持ってくる。さらに、APPで事前予約作業を行ったら、ご指定の時間にRAYがクルマを交換ステーションまで持ってくることも可能である。

RAYはU字の造形となり、車種によってフォークを自動的に調整し、長さ2.5メートルから6メートルまでのクルマが運ばれる。RAYの航続時間は6時間以上となり、最高速度はおよそ3メートル/秒となる。走行中、RAYは自分所在位置を一秒に10回確認し、その精度は±4㎜に達し、さらに、障害物の有り無しを一秒に100回も確認することで、安全性を確保する。

従来の駐車場と比べて、ロボットの通路だけ作ればいいので、RAYを利用することで、同一面積での駐車台数を60%増となり、駐車場の利用率が向上できる。また、駐車スペースを忘れたり、クルマが見つからなかったりするお悩みも解消できるし、駐車場から搭乗口までの距離は近くなり、急いでフライトに搭乗しなければならない旅客により多くの時間を節約できる。

著者プロフィール
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長

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