移動式スマートトイレ、深センにて活用

2020年11月20日

11月11日-15日、深センで開催された第21回中国国際ハイテクフェアーにおいて、深セン市微空間建築科学技術有限会社が出展し、移動式スマートトイレを展示した。

移動式スマートトイレは、糞便処理設備が内蔵され、下水道や電源に接続しなくても利用できるモジュール型の移動式トイレである。スマートトイレの中には空間は狭いが、設備は整っている。天井にはエアコンが付いており、下部には汚染物排出施設が設置され、便器の内部には下から排風器が付いて、異臭を排出できる。更に、消毒機能も持つから、コロナの中でも安心に利用できる。ドアの外側にはパネルが付いており、利用者がいるかどうかを一目瞭然になる。また、上部には雨除けの棚が設置され、雨を感知したら、自動的に伸ばしてくる。清潔で無臭、小型で軽量化、設置しやすく、高効率かつ省エネがスマートトイレの特徴であるから、地下鉄、展覧会場、会議センター、バス停、商業町、広場、公園、遊覧地などの各種の場所に適用できる。ちなみに、モジュール化の汚染物排出システムを通じて快速に市政管理ネットにつながり、市政施設がなくても独立運行できる。

この移動式スマートトイレは既に深センのバス停や地下鉄駅に導入された。下記は大中華国際広場のバス停に設置されたスマートトイレの写真である。「ドアを開く」のボタンを押したら、すぐ利用できる。中は飛行機のトイレの構成に似ていて、便器、洗面所、ハンドソープ、乾燥機などの設備が備わっている。しかも、その利用は無料である。

(大中華国際広場のバス停に設置されたスマートトイレ)

 

スマートトイレの開発者周素君氏によると、このトイレを設置するには、路面への工事は不要であり、また、全ての廃棄物がトイレの後ろのスペースに集められ、作業者は二日毎に交換作業を行う。省エネの面からみて、毎回トイレを流すには2リットルの水、手を洗うには0.1リットルの水を消費するが非常に省エネで環境に優しい。さらに、よく非難されてきた「臭い」という問題も、このトイレにはほぼ存在しない。それは天井に設置された脱臭装置を活用し、6秒で室内の空気を循環させているからである。それに、全ての材料は酸化チタンを利用しているから、光を通じてアンモニアと窒素を分解でき、除臭にも効果があり、限りなく無臭に近い衛星的トイレ体験空間を体験できるという。

将来には、移動式スマートトイレはインフラとして拡大し、市民に便利性を提供していくと考えられている。

著者プロフィール
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長

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